「若者の魚離れ」という現在進行形の課題
「魚を調理する若者が、どんどん減っている」
「スーパーの鮮魚売り場には、若い世代が来ない」
こうした声が、茨城県内のスーパーマーケットや水産加工品を取り扱う流通事業者の方から上がっています。国内の魚介類の消費量はピークだった2001年と比較すると4割も減少し、特に40代以下の若い世代の魚離れが社会的な課題になりつつあります。
当事者の若者自身が課題解決に取り組むプロジェクト
そこで、茨城県産の魚介類(いばらきの地魚)の消費拡大や認知度向上に取り組む「いばらきの地魚取扱店認証委員会」と「ヨークベニマル(いばらきの地魚取扱店)」、「常磐大学」の3者が連携し、「若者の魚離れ問題」に取り組むプロジェクトをスタートさせました。
魚を調理した経験も、スーパーの鮮魚売り場で買い物をする機会も少ない「若者」である学生が、マーケティング調査・分析、PR、商品開発、レシピ開発など、専門分野を活かして課題解決に向けた取り組みを行っています。
マーケティング調査・分析
若者の食生活などの現状を把握
常磐大学総合政策学部経営学科の学生は、常磐大学・大学院・短期大学の学生を対象に「意識調査」を実施。魚料理を食べる頻度や料理の種類、魚の調理ができるかなど、若者の意識や行動の傾向を調査。収集したデータは、若者に効果的なテーマやPR方法の企画に活用しています。
広報PR
マーケティング結果を元に若者ターゲットのPR動画制作・インスタでPRも
常磐大学総合政策学部経営学科の学生と、人間科学部健康栄養学科の学生がYoutubeやスーパーマーケットの店頭で使用するPR動画を制作。便利な調理サービスを紹介するRPG風動画や、簡単な魚料理レシピで競うクッキングバトル、コミカルなドラマ仕立ての動画など、学生ならではのユニークなアイデアが満載です。 また、地魚についての知識がない若者向けに、旬の地魚やレシピなどの情報をInstagramで発信。いいねやリーチ数を指標に反応の良いテーマを分析しました。
商品開発
学生企画の食味とデザインで商品化
健康栄養学科の学生とヨークベニマルの共同開発の第一弾として、茨城県産サバを使用したレトルト商品「IBARAKI SABA CURRY」と「IBARAKI SABA TOMATO」が誕生。学生が考案したレシピを元に試作を重ね、カレー味とトマト味が商品化。商品名やキャッチコピー、パッケージデザインも学生が意見を出し合って商品を完成させました。
茨城県内のヨークベニマルで2021年6月より販売開始しています。
商品を使ったアレンジレシピも学生が考案。ヨークベニマルのホームページで公開中。
また、第二弾として、茨城県産のやりいかを使用した「IBARAKI YARIIKA MARINADE (いばらき やりいかマリネ」の販売を2022年10月より開始しました。前回同様、学生がレシピ、商品名、パッケージを考案。やりいかマリネは、茨城県産のやりいかを茨城県内の加工場でボイル加工、柔らかいやりいかの食感を最大限生かした柑橘系のマリネで、レモンとオレンジが入っている爽やかな味が特徴です。試作を重ね、誰にでも食べやすい味を目指して商品化されました。
レシピ開発
簡単調理でハードルをさげるレシピ
健康栄養学科の学生が、県産のサバを使った「手軽で美味しいサバ料理レシピ」を開発。簡単調理だけでなく、味付けも若者向けにアレンジしました。レシピ動画はスーパーの店頭でも活用中!