涸沼の恵みを未来へとつなぐ「手掻き」のシジミ漁 Webマガジンいばらきの地魚市場vol.11

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漁師たちのシジミ資源を守る取り組み

涸沼の漁師たちは、シジミの獲りすぎを防ぐために1日の漁獲量や操業時間を制限したり、稚貝を守るために殻の幅が12㎜以上のシジミのみを獲るなど、資源を守るためのルールに基づいて操業している。また、漁師たちで組織する大涸沼漁業協同組合では、資源を維持し、さらに増やすために、シジミの卵を稚貝に育てて放流する取り組みを行っている。高野さんをはじめシジミ漁師たちの「限りある資源を末永く利用できようにしていきたい」という思いが、涸沼の豊かな恵みを守り育てている。

10時半を過ぎるとぽつりぽつりと漁から引き揚げる船が出始める。高野さんも漁を終え、涸沼川の川岸に戻ってきた。シジミの入ったプラスチックカゴを陸揚げすると直ちに選別作業に取りかかる。選別機で小石などの異物を素早くより分けると、機械では取り除くことができない空のシジミを選別する作業に移る。方法はこうだ。まず、台の上で手のひらにシジミを軽く包み込み、ぐるりぐるりと何度か回す。空のシジミがある場合は感触が違う。そこで、中から怪しいシジミを取り出して軽く作業台に落としてみる。空のシジミは大きく跳ねるので区別ができる。全てのシジミを選別するのはなかなか大変だが、一定の品質を保つための欠かせない作業である。

高野さんは獲ったシジミを涸沼周辺の問屋に卸していて、そこから道の駅や物産直売所、スーパーなどに出荷されていくそうだ。問屋への納品を終えると高野さんの一日の漁が終了した。

涸沼は全国有数のシジミ漁場。全国的にも珍しい、機械を使わない手掻き操業で獲るシジミは、キズが少なく日持ちするのが特長。

これは食べたい!

だしと旨味がすこぶる濃厚、涸沼のシジミ

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