久慈漁港から茨城あんこう Webマガジンいばらきの地魚市場vol.2

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冬場のあんこうの肝は絶品の味

大海原でスジを読むというプロの技。

3月のお彼岸前、今年は偕楽園の梅も四分咲きという寒さ。取材前日に久慈町漁業協同組合の底びき網漁船の祥天丸(15t)の船長、五来さんへ電話を入れ、漁況を確認すると取材当日は16時に帰港とのこと。当日は1時間前の15時には久慈漁港へついたが、すでに祥天丸は入港していた。 屈託のない笑顔で出迎えてくれた五来さんは、私たち取材班に「寒くないか?」と気づかいながら、質問に応えてくれた。

底びき網漁は、2本のロープに取り付けた開口板で網を大きく開かせ、主に海底付近に生息するヒラメやあんこうを獲る漁法。 あんこうは、平潟、大津、久慈、那珂湊漁港での水揚げが多く、全国的に見て茨城沖の魚は「常磐もの」として名高いことは有名だ。

23歳から船に乗り始めたという五来さんは、底びき網漁の大ベテラン。スジと呼ばれる水深10mの差でその日の漁が決まるという。 どこまでも続く大海原、そこに浮かぶ船を操縦しながら10mという単位が、とても繊細に響いてきた。この日は、夜明け前の2時から鹿島沖で漁をしていたという。 久慈町漁業協同組合では、現在5隻の底びき網漁船が所属しているが、今日はどの船もヤリイカが大漁で、市場も賑わっていた。

親潮と黒潮が交わる茨城沖は、日本でも有数の好漁場。 その茨城沖で漁獲された2kg以上のあんこうのうち、「あんこうのブランド化推進委員会」が定める自主管理基準により取扱うものを「茨城あんこう」と命名し、あんこうの下あごにタグをつけて出荷する。

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