引き上げれば、数十キロのわかさぎ。
太陽が昇りはじめ周囲が明るくなった頃、船を止め、網をあげはじめる。船と網を繋ぐ引き綱は約70m。さらに引き網は20mほどある。網をあげる作業は手作業だが、10分もしないうちに網に入ったワカサギの姿が現れた。
網の中にはワカサギやシラウオなどがぎっしりと数十キロ入っている。 この大きく膨らんだ網をあげるのが、漁師にとって最高の瞬間。 自然と笑顔がこぼれる。
獲れたてのワカサギは全体に張りがあり、とても艶やかで銀色に輝いている。 漁師の言葉を借りると「キンキラ」した美しさ。この輝きが、ワカサギらしさでもある。 サイズは10cmを超えていて、食べ応えもありそうだ。
大漁の気配を察してか、水鳥たちがどんどん集まってきて頭上を飛び交いはじめた。