肉厚で豊かな甘みが自慢。正月の縁起物「鹿島たこ」 Webマガジンいばらきの地魚市場vol.9

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タコには通り道がある。

タコ壺を船の前で扱うワケ。

『どどっ,ドン! ぼしゃん。どどっ,ドン!ぼしゃん。』

船をゆっくり走らせると、漁獲後、船上に整然と積まれたタコ壺が、自動的に甲板を滑り、船の外に向きを変える板に当たってから海に飛び込んでいく。

実はこの光景、鹿島灘では少数派。多くの船では船の後方で水揚げを行い、さらにタコ壺の投入は人力で行う方法が主流なのだそうだ。そう、今回はタコ壺漁を行う船のなかでも、最も工夫を凝らした船に乗せてもらったというわけだ。船長から『後ろで作業している船見たことないの?』と言われてしまったほどだ。

船が前進することで生じる水の抵抗を利用した、オリジナルの漁具投入システムを考案したのは山本船長で、『毎日のことだから、少しでも楽したいでしょ。』と笑っていたが、『やまもと丸はいろいろ工夫するよねぇ。』と所属漁協の職員が言うのと同じく、取材者も感心しきりである。

ついでに、船の前方でタコ壺漁を行う方法の利点が発揮されるのは12月のシラス漁の時だと言う。12月は年によってはまだシラスが獲れる時期。シラス漁の網は船の後ろに積むので、船の後ろでタコ壺漁をやるなら、いちいち網を下ろさなければならない。船の前方でタコ壺漁をやれば船の後ろに網を積んだままでよい。なるほど、出漁してもタコの獲れ具合が良くなければ、沖でそのままシラス漁に切り替えられるということか。非常に合理的なやり方である。

この日は、6時の出港から10時30分くらいまでに12ヶ所に仕掛けたタコ壺の回収と再投入を繰り返し、1〜4kgほどの鹿島たこを全部で約130kg漁獲することができた。

注)記事中の写真は平成28年12月に撮影したものです。

鹿島たこは、生まれてからその地に居ついた“地ダコ”と、季節で大きく移動する“渡りダコ”がいる。
漁獲量が増えるのは渡りダコが鹿島灘にやってくる11月下旬から2月にかけて。

これは食べたい!

しっかりした旨味・甘みの鹿島たこ

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