外海の荒波と広大な砂浜が育む鹿島灘はまぐり Webマガジンいばらきの地魚市場vol.8

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出漁すべきか、否か。団体戦で挑む漁の重責で難しい判断。

ハマグリ部長は大変だ

鹿島灘のハマグリ漁は、資源管理を漁師が協力し合うことで成り立っているが、輪番で回ってくる担当の時に、出漁するかしないかをハマグリ部長が決めている。内野さんによれば「ハマグリ漁は岸よりの2~5メートルの水深帯での仕事。波や天気の影響をすごく受ける。波が穏やかで風なしがベスト。出漁日は一発で決めたいが、皆で一斉に操業するから無理はしない。団体操業だから皆が納得し合ってやらないとうまくいかない。まあ、他の漁業もルールを守らないと駄目だけどね。だから、予定は早めに知らせる。ハマグリ部長は組合の役員のなかから適任者を組合長が指名して決める。」という。

内野さんは組合理事3期目で、建網(たてあみ)部長を経てハマグリ部長を2期務めている。しかし、このような経験を積んでいても、出漁の判断は非常に気をつかうそうだ。出漁しても風が吹いてしまい早上がりとなって予定の操業ができないという事態は避けたい。乗船取材ができるかできないか、という取材陣の心配とは明らかにレベルが違うことは間違いない。

取材当日はハマグリ部長の見立て通りに天気に恵まれ、しっかりと操業が行われた。他の僚船よりも早く帰港した兄弟丸はおよそ150kgの水揚げであった。

全国屈指の水揚げ量を誇る茨城県のはまぐり。大洗町・鹿島灘・はさきの3漁協が輪番操業により、資源管理をしている。漁は風がなく海が穏やかでなければできず、出漁は年に7~8回程度。鹿島灘はまぐりは漁師にとっても大変貴重。現地の漁師さんいわく、産卵前の6~7月が最も美味しくなる時期なのだそう。

これは食べたい!

歯応え抜群の縁起物。鹿島灘はまぐり

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